be melted. |
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始めはこの変化を受け入れることがなかなか出来なかった。
知り合ってたった数ヶ月で。しかも顔すら見たことがない。声も聞いたことがない。
なのにどうして、どうして惹かれてしまうのか。
しばらくの間、苦しい想いを抱えながら自問自答を繰り返していた。
どう考えてもおかしい話である。会ったこともない人を好きになるなんてーーー
木々が色付き始め、夏服から冬服への衣替えを終えた頃。
震える手で受話器を握りしめている私がいた。
彼から電話のお誘いがあったのだ。
私はびっくりしたと同時にとてもわくわくしていた。
どういう意図で提案してきたのかわからないけれど、ただ話せるチャンスが出来たということだけで嬉しかった。
家族が寝静まった深夜。リビングに一人。
受話器を手に取り、何度も確認しながら番号を押す。プルル、プルル、と呼び出し音が鳴る。
電話をかけるのに、かつてこれほど緊張したことがあっただろうか。
そして受話器の向こう側から聞こえてきた声は、優しかった。
投稿者 8kktw2 | 返信 (1) | トラックバック (0)